「でも、事実でしょ。」 「そうだけどさ……って、俺が言いたいのはそんなことじゃなくて!」 まだ言いたいことあったのね。 この人は口が忙しそう。 「夏休み、遊ぼう!」 「なんで?」 ほぼ即答だった。 「親交を深めるため!」 楠木くんは、少しは私の取扱説明書を見て学習したようだ。 得意気に言う彼は、人気者だからたくさん予定が入ってるはずなのに。 それでも、私と遊びたいと言ってくる。