「まず、この人混みから抜けよう。」 彼の手を握ったまま、なんとか通りから出る。 すると、木の影から舞が姿を現した。 「ちょっとー、せっかく二人でイチャラブできる空気にしてあげたのに、なんで私に構うのー?」 自分の思い通りにならなくて、少し拗ねてるみたい。 って、そうじゃなくて! 「まさか、わざといなくなったの?」 「そのとーり!」 思わずため息が出る。 舞ならやりかねない事だ。