「え、…」 楠木くんも今気づいたようで、二人で焦る。 「と、とりあえず、電話!」 「じゃあ俺は、ちょっと探してくる!」 そう言って私から離れようとする楠木くんの手を掴む。 「ちょっと!こんなに人いるんだよ?楠木くんまで迷子になるつもり?」 突然の私の行動に、彼は若干唖然としている。 「楠木くん一人で消えるんなら、私も一緒に行くから。」 「ちょ、それって俺消える前提なの?」