楠木くんにさっき舞と話していたことを伝えると、「あー、確かに浴衣で来ればよかったかも!」とまるで惜しいとでも言うように言った。 いや、乙女かよ。 「まずは、何から食べる?」 「食べる前提か!?」 「気にしないで。いつもの舞だから。」 こうして、今年はちょっと変わった夏がきた。 今まではずっと舞と二人でお祭り来てたからなぁ。 なんか、私の夏に男子がいるって新鮮かも。 「りんご飴食べたい。」 「りんご飴、好きなんだ?」 楠木くんが私の顔を覗きこむように見る。