タイムマシンはいらない。




この二か月間、毎日強いお酒を飲んでる。でも忘れられない。

悔しくて涙が出て、ムカついて荒ぶって、最終的には責めるよりも自己嫌悪に陥る。それの繰り返し。


25歳から28歳。

この積み重ねてきた三年間を、一瞬で壊したことは本当に罪だよ。


でも別に法で裁いてくれるわけじゃない。結婚してないから不倫じゃないし、たかが浮気。

それで罪の重さを自覚しないまま、あの人は今頃産まれてくる子供を心待ちにしてる。これから起こる楽しいことを思い描き、新しい人と新しい夢を語っているのだろう。


最低、最悪、地獄に落ちろ。

でも、地獄の底に落ちているのは私。這い上がれずに、もがいてもがいて足掻くだけ。

本当に、本当に、笑えるぐらい惨めだ。


私はフラフラと店を出た。ウォッカを一気飲みした辺りから、頭がぼんやりしている。

お酒はまあまあ強いほうだけど、今日はなんだか気持ち悪い。なにも食べずに飲んだからかな。

でもいいや。べつに心配してくれる人はいないし、私がここで倒れたって誰も困らないんだから。



「実咲さん?」

声をかけられて振り向くと、そこには同じ会社で働く後輩の岸本がいた。