タイムマシンはいらない。




思わず、首を縦に振りそうになった。

でも、私はそんな冒険ができる年齢じゃない。
だって、岸本はまだ23歳。絶対にこれからたくさんの可愛い女の子と出逢う。そしたら、私はまた裏切られるかもしれない。


「やだな。岸本、からかわないでよ」

最低だ、私。こんな風に岸本の告白を流そうとするなんて。


「からかってません。本気です」

「だって私、岸本より5つも年上だよ。……ありえないよ」


怖い、また同じことを繰り返すんじゃないかって。

信じて、またひとりになるんじゃないかって、ひどく臆病になる。だから、私は逃げるように岸本に背を向けた。


「こっち向いてください」

「やだ」

「実咲さん」

「私はもう傷つきたくない」

すると、岸本は怒ったように私の手を引っ張り、そのままベッドに押し倒した。


「傷なんて、俺は一ミリもあなたにつけさせない」

後輩の顔じゃなくて男の顔になった岸本はまた私にキスをした。

今度は軽く当たるだけのものじゃなく、深く、溺れてしまいそうな甘いキス。


「大事にします。うざったく思われるぐらい。俺は実咲さんことが好きです」


岸本があまりに優しく私の身体に触れるから、強がることも忘れて私から手を伸ばしていた。