「だけどこれで、分かった。
父さんは、カンナを知っている」


うん、私も気づいた。

無情にも、私が襲われていたあの瞬間ーーー。

"随分……大人になったカンナを見せてごらん?"


あんな言葉、私を知らなきゃ言えない言葉。

私は、嫌な予感に体が震えていた。


「進くん、私のお父さんって………」

嫌な予感が、波のように押し寄せる。


「まだ、わかんないけど、明日全てが分かるかも知れない。
おばあちゃんが、何か知ってるかも……」

私のおばあちゃんが、知ってるかも知れない。
私は、進くんの腕に身を寄せた。


「進くん、抱き締めてっ」


「うん、おいでっ」


ベットへ、軽々抱っこしてくれて寝かせてくれた。

まだ、怖さが少し残るけど進くんは怖くない。

とても優しい………。


「進くん、好きっ」

私は瞼を閉じた。

唇が、合わさる。