そして百年後、ピエロはごく普通の家庭の、ごく普通の少年に生まれ変わった。

 少年は人気者だった。

 明るく、よく笑う子供だった。

 だけど。

「絵本のピエロはね。新しい人生でも、見えない仮面を被ってた。被る必要ないのに」

 少年もまたピエロだった。

「運命は繰り返されるってことか。子供が描いたとは思えない作品だな。だけど、なんで英文なんだ?」
「それは……」
「きりが読んじゃいけないと思ったから」

 やってきたのは、いっちゃんだった。