「それくらいのことしてる自覚はあった。たかが副担任が公私混同して許されるわけなかった。個人的に関わるの、やめなきゃって思ってた」

 幸せにやってるんじゃなかった?

「それでも君のこと放っておけなかった。全部私のワガママ。気づけば君を幸せにしたくなってたの」
「杏……」
「取り返しのつかないことをしたと思ってる。あのとき君と深く関係を持つべきじゃなかった。大人としても、人としても」

 誘ったのは、俺だ。

 なのに一人で自分を責めて……?

「だけど私は君との時間は本当に大切だった。後悔してるのは、女として君に甘えてしまったことだけ。お願い。こんなこと言う資格ないけど。私のせいで人を信じられなくなったりしないでね」