嘘つきピエロは息をしていない


 ポケットを取り出し携帯を見ると、クラスメイトからメッセージが複数件届いていた。

 いつものことだけど今日はいやに多い。

「なんだこれ」

 番長の武勇伝、と書かれている。

 番長って内貴が呼ばれていたやつだけど。

 武勇伝なんて書き方をされていると、いよいよ胡散臭い。

 噂ってのは、どこまで尾ひれがつくのかわかったもんじゃない。

 だから信じない。

 こんなの話半分に聞いていればいい。

 所詮、噂好きな暇人からまわってきたグループメッセだ。

「くだらない」

 詳しく確認せずにアプリを閉じかけた、そのとき。

「……エアマックス」

 とても信じられないけど、僅かな可能性が、頭にぽつりと浮かんだ。

 吉川を助けに来たあの男。

 並大抵の強さじゃなかったアイツ。

 体格なら似ていた。

 髪型は違えど、長さや色は共通している。

 アプリに届いたメッセージに再び目を通し、それをゆっくりと読み上げる。

「地元の大会では、中学生の部において優勝の成績をおさめていた……?」