車から降りた俺は、一人暮らしには十分すぎるマンションの一室に入るとソファに沈み込むように横になった。
部屋には見渡す限り、勉強道具と仕事に使うものしかない。
それらで棚は埋め尽くされている。
ここを追い出されるのも時間の問題かもしれない。
榊がなにかしら俺の邪魔してこないって保証どこにもないから。
社長に拾ってもらった恩を返すほどまだ働いていない。
それどころか足を引っ張るようなことしてた。
俺が問題を起こせば違約金だって発生する。
榊はそれを狙っていたのかもしれない。
『頑張ってね!』
そう君に言われたとき、なんて薄っぺらい言葉だろうと思ったのに。
気づけば嘘偽りのない、まっすぐで、なんとも力強い言葉となって、悔しいくらい励まされてる。
心が揺さぶられている。
あっという間に君が俺の希望になった。
ずっと自分のために――自分のためだけにやってきたのに。
女の言葉なんて二度と信じるかって思ったのに。
――君を信じてみるのも悪くない


