嘘つきピエロは息をしていない


 振り返ると、そこにいたのは、同じ高校の制服を着た男だった。

 男の俺でも綺麗だと思うくらいの美形男子。

 こんなヤツうちの学校にいたか?

「どこから入ってきた」

 高嶋が驚くのも無理ない。

 玄関の扉は鍵を閉めたはずだ。

 ベランダなんてない。

 あっても登ってこられる高さじゃない。

「そりゃまあ。正面から」
「なんだと?」
「どんな会話したか知らねーが。いとも簡単に管理人を口説いちまうんだからなぁ。あの男は」

 他に仲間がいるのか?

「……高嶋、二人まとめてやっちゃって」

 顔を歪ませた榊が高嶋に命令をする。

 高嶋は喧嘩が強い。

 榊が高嶋とつるむ理由はそこにある。

 遊び仲間でもあり、自分の護衛にしているんだ。

「西条、そこどいとけ。吉川連れて離れてろ」

 吉川を守りに来たのか?

 ……この男を、信じていいのか?