「どうも夢みがちなので。現実みせてあげようかと思いました」
嘘じゃない。
だけど今は、後悔し始めている。
「甘いマスクが売りの男の台詞じゃないね」
眠っている吉川の隣に座り、細く折れてしまいそうな腕を撫でる榊。
「榊さんも。その顔、好青年で売ってるとは思えませんよ」
「真っ白だねこの子。さすがに罪悪感抱いちゃうな」
本当にこの人に罪悪感なんてものがあれば眠らせたりしないだろう。
吉川に触れている榊に嫌悪感を抱く。
「最初は西条が相手しなよ」
「……俺ですか?」
「いきなり知らない男が相手っていうよりさ。友達の方がこの子も安心するでしょ」
「でも榊さん――」
「たまってんじゃないの? 全然女っ気ないみたいだけど。まさか男の方が良かったりする?」
榊は俺に吉川を襲わせたいらしい。
相手は男が二人。
それも先輩。
歯向かって機嫌を損ねさせるわけにはいかない。
かといって――
「……っ」
無防備にソファで眠る吉川に視線をうつす。
襲いかかるどころか、今は、指一本触れるのが……怖い。


