ガラの悪そうな他校の男子二人組と歩いていた、一人の女生徒。
うちの高校の制服を着ていた。
というか、やはり俺をつけていたのはアイツだった。
ああいう男たちとつるむタイプには到底見えず、おおかた変なのに引っかかったってところだろう。
まぁ俺には関係のないことで。
西条から俺に乗り換えたのかは知らねぇが、ちょうどいい。
男で痛い目みれば少しは懲りるだろ。
駅に向かい、数歩進み、立ち止まった。
――昼間裏庭で、俺が肩を掴んだときのあの女の反応が、脳裏をかすめる。
「たったあれだけのことで。固まっていたよな」
なのに、あんな軽そうな男に拉致られて大丈夫かよ。
【間違いないって! 俺ら見たから】
【アイツなら、すぐ近くにいるよ】
――俺を探していてダマされたんだ。
「クソがっ」
背を向けていた方角に向きを変えると、走り出した。