それでも当時はコツコツ稼ぎ、貯金だってしていたのに――
「ごめんね。あの人がパチンコに使っちゃったみたい」
母親や恋人に勝手にその金を使われ、失った。
一度ならず二度、三度と俺の金を盗まれ、いっそまとめて消してやろうかと思った。
限界は、近かった。
一歩間違えれば取り返しのつかないことをしていたかもしれない。
仕事は続けた。
学校は、サボるようになった。
何日も母親が家をあけるようになってからは、いつ電気や水が止まるかもわからない生活に不安を抱いた。
親に愛されず。
その日暮らしの俺に、同情する人間はいた。
中二の春。
『先生が、力になってあげる』
熱意のある新任女教師が、執拗にかまってきた。


