嘘つきピエロは息をしていない


 中学にあがった頃、仕事を始めた。

 短時間のアルバイトだ。

 母親には反対されるどころか家計の足しになるからと喜ばれ止められなかった。

 自転車で朝刊を配った。

 慣れるまでは配達が遅れ、迷惑をかけた。

 クレー厶だって出た。

 学業と仕事の両立は楽ではなかった。

 疲れがたまれば、ミスが増えた。

 雨が降ろうと雪が降ろうと、配達量は変わらない。

 急な欠員が出ればその人の分も手伝わされた。

 中学生だからって甘い言葉はかけてもらえない。

 そこは仕事場だったから。

 むしろ、俺が、みんなの負担になっていた。

 朝五時までは店に出られないし、限られた時間に配達できる部数は限られている。

 そんな子供を雇うより大人を雇った方が安定するだろうに、十分よくしてくれたと今なら思える。

 稼ぎなんて思い返せばけっして大きくはない。

 同じだけかそれ以上の小遣いを周りのやつらは当たり前のように親からもらい、当たり前のように費やしていた。