――どうして、みんなと距離を置くの?
「一色が呆れるほど面倒見いいことも。お前の大切な兄貴分ってことも、理解した。別に騙されたこと、いつまでもグダグダ根に持ったりしねぇよ。もう忘れてやるから安心しろ」
私とは話をしてくれるのに。
ナイキくんの気持ち、全部じゃなくても、聞かせてくれるのに。
こんなに優しいのに。
「これまで通り俺は幽霊部員の内藤でいい。舞台に立たねぇし活動もしない。またなにか手伝ってやってもいいけど、大きな期待すんな」
「一緒にお芝居やろうよ」
「やらねぇって。演劇部が軌道に乗れば、そのうち消えるつもりだ」
「そんなのイヤだよ……!」
「お前は一人じゃないだろ? 居場所とやらも、確保できた。だったらこれまで通り仲間とよろしくやってろ」
「……いなくならないで」
どんよりした感情が、押し寄せてくる。
ナイキくんといると、とても楽しいけれど、ちょっとしたことで泣きそうにもなる。そんなことに気づかれたくなくて、無理やり笑顔を作ろうとした。
でも、うまく、笑えない。
「ンな顔すんなって。卒業までは逃げも隠れもせずにこの学校にはいるんだ」


