大きな背中を向けていたナイキくんがこっちに向かって寝返りをした。
目と目が合う。
「えっと……その。違うって、いうのは……」
透き通った瞳に吸い込まれそうになって、慌てて目を反らした。
ゆっくりと視線を戻すと、変わらすナイキくんは私をまっすぐに見つめてくれていて。
『続きを聞いてやるよ』と。
そう言ってくれている気がして。
小さく深呼吸すると、再び口を開いた。
「いっちゃんは小さい頃、たくさん習い事をしてたの。当時は深く考えてなかった。なんでもできて凄いなって思ってた。呑み込みがはやいっていうのかな。新しいことを始めればみるみる上達して」
いっちゃんの家のリビングにはズラリと賞状が並んでる。
「一つ上なのにしっかりしてて、もっとずっと大きなお兄さんみたいな感じがしてた。でも……」
「でも?」
「とても大変だったんだろうなって今なら想像できる」


