嘘つきピエロは息をしていない


「らしくねぇな。『ナイキくんのこと騙せた私の演技力すごーい!』くらい能天気なのがいつものお前だろ」
「えぇえ!?」
「吉川に振り回されることくらいなぁ。もう慣れてんだよ」
「ナイキくん……」
「普段引くぐらいマイペースなのにいきなりナイーブになんなよ。反応に困るわ」
「許してくれて、ありがとう」
「だから怒ってねぇし。……オマエニハ」
「え?」
「ああもう。わかんねぇよな。一生わかんなくていーよ。黙って千歳飴でも舐めてろ」

 ナイキくんが手で顔を覆っていて表情が読みにくい。

 けれどそれは絶望とも悔しさとも怒りともとれなくて。

 ほのかに感じたのは――、“安堵”

 ナイキくんが、再び芝生に横になる。

 それを見て、

「私も!」

 隣に寝転がった。

「なにお前まで……」
「気持ちいーね!」
「あっそ」

 呆れ笑いするナイキくんを見て、どんよりしていた心が、目の前いっぱいに広がる青空のように晴れていく。