嘘つきピエロは息をしていない



 言い終わったあと、ほんの一瞬、ナイキくんの瞼がピクリと微動したような気がした。

 ――起きている

 だけど、返事がない。

 強い拒絶を示されているように感じた。

 これ以上私といたくないのだと。

 沈黙が続き、重い空気が漂う。

 目の前にいるのに、とても遠くにいるみたい。

『もう来ないかもな』

 部長の言葉が頭をよぎる。

 会ったことも話した回数も私の方が圧倒的に多いのに、私よりも部長の方がナイキくんのことをずっとよくわかっていた。

 いつもそう。

 私は人の気持ちが考えられない。

 手遅れになってから、自分のダメなところに気がつく。

 学習しないなぁ。

 ――悪い子だなあ、私……。

「やり直し」