嘘つきピエロは息をしていない



 はやく言わなきゃ。

 言わなきゃ……。

「なにソワソワしてんの。便所か? 行ってこいよ。そして永久に戻ってくるな」
「違うし……! 永久は酷いよ!」

 ――あなたが、好きです

 そんな言葉を私は口にしたことがなければ、誰かから伝えてもらったこともないけれど。

 ナイキくんは、たくさんの女の子から言われてきたんだろうなぁ。

 仰向けになって、眼鏡を外し、目を閉じている。

 何度見ても息を呑むほど綺麗な素顔をうっとり見つめていると、ナイキくんが口を開いた。

「……アイツ、家来みてぇだな」

 ケライ?

「吉川がちょっと甘えればなんでも言うこと聞くんだろ。弁当届けに教室まで来るようなヤツだし」

 そう言われていっちゃんのことだと気づく。

「そんなんじゃないよ! いっちゃんは、昔から近所に住んでて。頼りになる、お兄ちゃん的存在で……!」
「でもやることやってんだろ」