「朝っぱらから俺んとこに来るなんて珍しいな。どうした?」

白猫は、俺がいつも夜とか、喧嘩が終わった時にしか来ないからか、不思議そうに首を傾げた。


「………話聞くだけ聞いて」





カウンターの席に座り、俺は目の前にいる白猫に華龍のことを話した。



「ふーん? つまり、お前は今悩んでるわけだ?そいつらの手を取っていいのか取ったらダメなのか「誰もそんなこと悩んでねぇんだよ。煩わしくて、めんどくさいからどうしたらいいか聞いてんの」





俺は白猫を睨みつけた。





「はぁー。……素直になれよ、いい加減」





白猫はため息をつき、俺に呆れたような視線を向ける。



「………どうせ、また失う」




そうなるくらいなら、いっそ独りでいい。


「そうとも限らないだろ。お前、さっき華龍はかなり強い族だっていってただろ。
それならお前の親父が帰ってきても、案外なんとかなるんじゃねえの?」



そんなわけない。


「………ならねぇよ。



親父が雇う執事って、普通に強えもん」






俺は、きっとこのままじゃまた失う……。



そんなの絶対に嫌なのに……。