夜。



「「じゃあなー」」


「まったねー」


「おう、またなー」「………」





倉庫をみんなで出た。結賀と廉が声を揃え、その後に伊織が挨拶をしてきた。


俺はもちろん馴れ合いなんてする気ないから無視。隣にいた仁はみんなに笑って返していた。



それを見て、三人とも気に入らなそうな顔をしてバイクを加速させて帰っていった。伊織は結賀に送ってもらうらしい。


「……乗れよ、ミカ」


「……足痛くて無理」



仁がバイクの後部座席を叩き、俺に合図してくる。

俺はそれを見て不満げに言った。


母さんに会うのが嫌だったから泊まるって言ってみたけど、この選択は間違ってるのかな……。


やっぱり今からでも、普通に家に帰った方がいいのか……?


「……たくっ、しょうがねぇな」



「はっ、おい!」



俺を担ぎ上げ、仁は無理矢理後部座席に座らせた。




「しっかり捕まってろよ?」




「……わかってる」



こうなったらしょうがないので、俺は仁のお腹に手を回した。



それから5分もしないで仁の部屋があるマンションに着いた。


「……俺、一人暮らしだから」

仁がバイクをマンションの駐車場に停めて、
真後ろにいる俺に言う。



「ふーん」


俺はどうでも良さそうに頷き、仁の手を借りてバイクから降りた。