目が覚めると、俺は父さんの自室にいた。
両腕の手首を鎖で拘束され、ソファに座らされている。
もう少し強ければ手首の骨が砕けるのではないかと疑う程きつく縛り上げられていて、かなり痛い。
「……いたっ」
スタンガンを当てられた上で拘束された手首は、血が滲んでいた。
……見るだけで痛々しい。
身体がろくに動きはしない。
でも、それ以上に心が痛かった。
楓……っ。
「あ」
俺は自分が座っているソファの目の前に白い紙袋が置いてあることに気がついた。
身動きができないから目線だけを動かして中を覗き見ると、ペアルックで買ったグレーのパーカーが二着入っていた。
ボロボロと涙がこぼれてくる。
……俺は今更何を期待してたんだ。
自業自得?
今更幸せになれるとか、そんなこと思ったから罰が当たったのかよ………。
だったら楓じゃなくて俺を殺せよクソ親父!!!



