一匹狼くん、拾いました。





「立花。いや……楓、
俺と一生一緒にいてくれ」





「喜んでっ!」


柄にもなくそんなことを言って、6月初期から俺は楓と付き合い始めた。




「ねぇ俊平、あたしといる時はフード外して?」



「……いいよ」


俊平って呼ばれても、恐怖は感じない。




愛されてるって実感してたからだと思う。



たぶん、フードでかくしてたとこにあった傷に、楓は気づいてたと思う。でも、楓は何も言ってこなかった。たぶん、俺が言いたくないのを察してくれてたんだと思う。



その日から俺は楓と2人で登下校をして、お昼は今まで通り、岳斗と3人で食べるようになった。




そんな日々がずっと続くと、俺は実の父親に全てを制限された分際で、何の疑いもなく信じ切っていた。