純白に輝くソファに座らされ、
睡眠薬を飲まされた。
俺は眠り姫ならぬ眠り執事と化す。
3時間後、
俺の頭に額縁の角が激突した。
「痛っ!!!」
頭から血を流す俺を、父さんは大して面白くもなさそうに見つめていた。
「……睡眠薬を飲まされたら2時間で起きろといつも言っているはずだ。本当に、お前は見た目だけの出来の悪い商品だな。今日の晩飯は抜きだ」
「いや、ちょっ、ちょっと待って!!」
飯が抜き?
ただでさえいつも少なくて、脂っこくないような大して美味くないのしかくれないくせに、そんなの冗談じゃない!!
父さんは俺の声を無視して、部屋を去っていってしまった。
直後、ドンッ!って音が響いた。
不審に思った俺はドアノブを回して、ドアを開けようとした。
――ドアが、開かない。
「んっ!!」
俺は頭部の痛みを我慢しながら、思いっきりドアを押した。
しかし、そんなことをしても、バリケードでもあるのか、ドアは一ミリたりとも動かなかった。
「父さん……? 父さん!開けてっ!!」
俺は涙を流しながらそう叫んだ。
「父さんっ!!!」
「……もう商品になってから10年だ。
少しは出来がよくなれよ、俊平」
ドア越しに、俺の名を呼んで、そう言う父さんの声が聞こえた。
「……ごっ、ごめんなさい。開けて、ください……」
俺は、思わず泣き崩れた。
こんな関係、親子でもなんでもねぇよ………。



