その日のお昼休み。一人で屋上でパンを食べようとしていた俺は、突然屋上のドアが開いたのを不審に思い、顔をしかめた。
「あれ、ミカだー!!」
楓が俺を見て、嬉しそうに笑う。
「……よ」
「誰、この派手男」
楓の隣にいた茶髪の男が、俺を睨みつけた。
派手って言うのは、大方髪色のことだ。
「……チャラ男に言われたくねぇ」
「はあ?」
キレたのか、屋上の隅にいた俺に、そいつは足音を立てて近づいてきた。
「もう!初対面早々雰囲気悪い!!
岳斗もミカも一回落ち着いて」
しかし、楓が割って入り、そこを仲裁した。



