一匹狼くん、拾いました。







なぁ、岳斗。










あの日、屋上から飛び降りようとした俺を引き上げてくれてありがとう。







俺は今、遅すぎるかもしんねぇけどさ……
本気で、生きてて良かったと思うよ。








生かしてくれて、ありがとう。







『ミカ!ミカ、ミーカっ!!!』




岳斗の俺を呼ぶ声が蘇ってきた。




無愛想な受け答えしかできない俺に、岳斗は




何度も何度も笑って返してくれた。








父さんに虐待されて、露磨に暴力を振るわれて、いつも元気もなく学校に来た俺を、お前はいつも笑わせようと必死だったな。






それで俺が笑ったら、お前はすごい嬉しそうに笑ったな。








もっと、一緒にいたかったな……っ。