俺は思わず、リムジンの中にあったゴミ箱にもの吐いた。
「オエッ!!」
「ククク、きっとお前はこっちに来ると思っていたよ。去年もそうだったが、お前は随分友達に執着するからな」
吐いていると、父さんが横から語りかけてきた。
俺は、父さんを睨みつけた。
「……なんでいるんだよ。帰ってくんのは明日のハズだろ」
「いやーそのつもりだったんだが、お前がまた抵抗してるって露磨が言うからさぁ……早く罰を受けさせたくて、1日早めに着くようにしたんだ」
その言葉だけで、俺は絶望に叩き落とされた。
クソ……っ。
ゲームオーバーか?
こんな所で、また地獄に逆戻りするわけには行かないんだよ……。
「痛っ!!!」
父さんは手を伸ばし、俺のパーカーのフードを剥ぎとって、髪を引っ張る。
「まぁ、お前が帰るってんならその車の中にいる奴も、店にいる奴も見逃してやるよ」
「誰があんなとこ……いってぇっ!!!」
頭部にあった凹みを、思いっきり殴られた。



