露磨がいるという恐怖に震え、身体が動かない俺の腕を引っ張って、



緋也は俺が先にハシゴを降りるよう促した。





俺の次に緋也が外に出て、汐美に連絡を取った。


「「はぁっ、はぁ……っ」」



テラスの真下のバイクや車が停めてある駐車場に出た俺は、緋也と一緒に荒い呼吸を繰り返した。





緋也の次に魁斗と遥と香里奈が順々に出てきて、最後に汐美と嘉が外に出た。




「「嘉、香里奈、遥、来てくれてありがとう
。本当に助かった」」




俺は、緋也と声を揃えて礼を言った。





「いや、いい。ミカ、闇風嘉(ヤミカゼヨイ)だ。血流の副総長だ。よろしくな!




……この前は水かけて悪かったな。昨日の夜、緋也が突然もう悪いことはやめるって電話で俺に伝えてきてな、直接話を聞きに来たんだ。




そしたらこんなことになってるから本当に驚いた。間に合ってよかった。さ、逃げるぞ!」




嘉は俺に、屈託もなく笑いかけた。



「ああ、逃げよう。汐美、リムジンを出して」



駐車場の右端に停めてあった白いリムジン
に視線を移し、緋也は言った。