俺は、走って家に帰った。



ピンポーン。



鍵を持ってなかったから、俺は家のインターホンを押した。



「うわっ」


家のドアが開いたと思ったら、誰かに左腕を掴まれ、無理矢理家の中へ入れられた。



「……今、何時何分か分かりますか?」


「グホッ!!」




俺の首に長方形の形をした携帯を押し当て、
露磨は言った。



家の出入口のドアに身体が押し付けられ、痛い。


「ろっ、露磨……っ。やめ……ろっ」




俺のうめき声を無視して、露磨は話を続けた。



「……17時1分ですよ。17時1分。17時0秒に来ないのはまぁ仕方がないにしても、門限を1分もオーバーするだなんて、貴方は本当に仕方がない人ですね。




その上、今日は旦那様が17時から貴方の絵を描こうと言っていたんですよ?貴方が遅れたせいで、旦那様は絵を予定より早く書き上げねばならなくなりました。どう責任を取るおつもりですか?」