手首をさすり、俺は露磨を抗議するように睨みつけた。




……こんな奴は、兄なんかじゃない。






「俊平様、いつまでそこにいる気ですか。




もう朝ご飯は出来てます。さっさと立ってください。ダイニングに行きますよ」




露磨はわざと、俺の血が流れていた右手首を掴んだ。



「痛いっ!!」


俺は思わず押し寄せる痛みに悶絶し、声を上げた。




「……これ以上手間をかけさせないで下さい。私だって貴方に好きで暴力を振るう訳じゃない。あくまで、従わなかったら罰せよというのが主人の命令なのでやっているまでです。




さぁダイニングに行きますよ?いいですね?」




露磨は痛み喚く俺を、冷静に諭した。



ベットに、血がダポダポと滝のようにこぼれ落ちた。



「分かったから、放せよ……」






やっと手首から手を放してくれた時には、寝巻きのズボンのほとんどが、自分の血で赤く染まっていた。