嗚呼。 その赤ん坊は、僕だ……。 頭の中に残っていたのは、5分にも満たない会話の記憶だけだった。 それでもその日、確かに僕は生まれていた。 勝手に、生まされていた。 顔も知らない母親の身体から、 確かに生まれていた。