一匹狼くん、拾いました。






テラスの中央には、白くて丸いテーブルがひとつあって、それを囲むように同じ色をした2つの椅子が置かれている。




僕はそのうちの一つに腰掛けて、魁人を待った。





「お待たせ致しました。さぁ、どうぞお召し上がりください。旦那様」





魁人はココアの他に、今日の晩御飯のデザートだったケーキも持ってきた。



なんでケーキまで……。


「……汐美が旦那様が全くご飯を食べてないと仰っていたので、持ってこさせて頂きました。流石にこれくらい食べてくださいませ」



僕がケーキを訝しげに見つめていると、魁人はまるで僕の心を読んだかのように、すぐに声を上げた。




魁人はわざとらしいほどの微笑を浮かべて、テーブルの上にケーキとココアを置いた。




「はぁ……分かったよ。食べればいいんでしょ食べれば」



僕は渋々頷いた。




「はい、旦那様」




魁人は僕の返事を聞いて、屈託もなく微笑んだ。



「……魁人も座っていいよ」




「では、失礼致します」




魁人は、すぐにテーブルを挟んで目の前の椅子に
腰掛けた。