屋上には、緋也の他に血流の奴らが50人ほどいた。
「…………何で、お前が俺の本名を知っている?」
俺は緋也に掴まれていた腕を振りほどき、聞いた。
「そんなのクラス名簿だよ。俺、これでも成績優秀なんだよ?
先生にちょこっとお願いしちゃえば、万年不登校の君のクラスも座席も、屋上の鍵もこうやって簡単に手に入る。
いやあ、本当に先生からの信頼って大事だよねぇ」
緋也は笑いながら言い放った。
「君のこと、調べさせてもらったよ。親が画家なんだって?それで君はモデル役として生きてるんだ?凄いねぇー」
他人事のように緋也は言い放った。
「……本当に凄いと思うなら代わってやろうか」
「まさか、結構だよ。だって僕なら親に殺されかけるなんてまっぴらゴメンだからねぇ……」
俺は思わず目を見開いた。
こいつは虐待のことを知っている……?
何で、どうして?
こいつは一体、どこまで俺のことを知っている?



