俺の手の平には、中央に赤く縫われた跡がある。一年前、ワイン瓶の破片が突き刺さった時にできたやつだ。



「ミカ……なんか、女子みたいにほっそくて白い腕だな。腕相撲したら折れそう」


廉は俺の手を触り、感触を確かめた。



「……余計なお世話だ。焼きそばパン食っていいよ」



俺は廉を睨みつけて言い放った。




「マジ? サンキュ!!」




廉は俺の肩を小突いて、嬉しそうに笑った。