泣いてたえみは、もう泣いてない。

瞳を閉じ、身を任せた。

だから、答えるように優しいキスをした。


「えみ、ごめんな。

助けられなくてっ」

「ありがとう、冬。

好きっ」


不安が取り除かれていくのが、分かった。


俺は、大切なモノを抱き締めた。


暗がりの廃墟の中で……………


*冬side終わり*