「怖い思いをするかも、知れないんだよ。」


「私だけじゃない。
怖い思いをしてるのは………。

それに、私はみんなを信じてる。
お兄ちゃんは、絶対に負けたりしない」



私だけじゃない。
冬さんの彼女さんだって、きっと今頃怯えてる。


私だって怖い。



だけど、私は逃げない。


「ありがとう、咲ちゃん………」


冬さんの声が震えてる。


だけど見せた笑顔は、私の心を暖かくさせた。