「お兄ちゃん、私寒いよっ」


うん、寒いよな。
 わかるよ。


「いや~冬っ、落ち着いて‼
未遂だから、ギリギリ未遂だから‼」



「いつか、ヤろうとは思った。

大丈夫、それが今になっただけだよ。

大丈夫、楽にしてやるよ。 
そして、もう二度と浮上しないようにしてやるから心配すんな」



ニヤリと不気味に笑う冬。


ひきつり笑いを含んだ千は、一目散に逃げた。