「ごめん………。

謝りにきた。

もう、なんもしない。
それだけだからーー」


刻はそう言い離れてく…………。




「ありがとうっ」






怖くて泣いていた咲は、刻の背中に話しかけた。




「もう、大丈夫。


だから、爽くんと仲直りして欲しい。


兄弟は、仲良くないと悲しいよ」


そう、悲しいと口にする咲が刻を見た。


振り向いた刻の視線の先には、、爽がいた。




「別に、爽のこと嫌いじゃないし。

つか、嫌いに慣れねーよな」




あの刻が、笑った。


「帰るぞ、刻。


じゃあね、咲」


そう、優しく笑う爽。


もう、大丈夫。


あいつらも、大丈夫。


もう、寂しくない。