!!!!!


お兄ちゃん…………なんで………っ。


決して、何をされてもお兄ちゃんは抵抗しない。


なんで…………?



爽くんは、気づいてる筈なのに………


拳を付き出すのを止めない。



「やだ、やめてっ」



いい、もう戦わなくていい。



もう、分かったからーーーっ!!



爽くんは、無抵抗のお兄ちゃんに拳を振るう。



いやだ…………。


前へ前へ君に近づいたら…………


「「咲ちゃん!?」」



冬さん、千さんの声を聞いたけど私の足は止まらない。


爽くんが、拳を振るうその瞬間ーーー









私は、飛び出していた。





「やめて!!!!!!」










「…………っ、咲‼」









どちらの声か分からない。



だけど、私を抱き締めたのは間違いなく兄だった。