「咲ーーー。」




「お兄ちゃん…………」



俺が怖いか、咲…………。


だけど、軽蔑してるわけでもない。


引いてるわけでもない。


「咲、俺総長と君を懸けて戦うから。


見てて欲しいんだ。
俺は咲が好きだ。

総長に勝てる自信はない。


蹴られても殴られても、俺は咲を手離さない。




だけど、咲には本当に好きなやつと幸せになって貰いたい。

咲の気持ちが分かったら、切り捨てていいから……」




爽…………。


爽は、きっと気づいてた。

俺もどこか気づいてた。

咲ちゃんは、気づいてない"恋"があること。



「二人共、頑張れよ‼」



「ありがとう、冬。」



「ありがとうございます冬さん」


きっと、覚悟は出来てる。