涙が、浮かぶ。

荒い息のお兄ちゃんはまさにーー"獣"だった。



バァン!!!



何かの破壊音を聞いた。


「咲!!!!」


大好きな爽くんの声が聞こえた。


「そ………く………ん。」


声が出ない。


尚、お兄ちゃんの目には私しか映っていない。


お兄ちゃんが、私の胸に触れた。 

ビクリ、と私の体は震えた。

 涙も止まらない。


「とぼけてんじゃねーよ!!

触るな‼」


爽くんの怒りを見た。