「まだ、咲はやられないけど今だけは許してやる」


総長が認めた?


少し柔らかく微笑む総長がいた。
笑ってる。


だけど、それもほんの一瞬で消えた。


「咲、俺は、帰る。

またな」


「お兄ちゃん?」


君の声が聞こえた。


総長は、離れてく。

その、後ろ姿は寂しそうだった。


総長ーーー

君の肩を引き寄せたら、俯いたままの咲。
顔を覗けば、泣きそうに下を向いたままの咲の顎を持ち上げた。

泣き顔を見つめ、人前と分かっていながらしたキス。


「ンッ、ダメっみんな見てっ」

はあ、可愛い。

どれぐらいそうしていたか、やっと、唇を離したら、赤い顔の咲がいた。