けど、悪いのは咲だ。


「なんで…………総長のこと呼ぶんだよ。


キスをしたのは、俺なのにっ。


なんで、咲は兄貴とそう言うことっ「ひどい。

ひどいよ、爽くんっ」



少しだけ、頬が痛い。

君に叩かれたのだと気づいた。


目の前に、泣いてる咲がいるのに抱き締めてあげられない。


ましてや咲が悪い、なんてまだいい訳までして……。


ガタッ!!


君が部屋を出ていく。


追いかける選択肢なんて、ない。


バタンっ。

玄関のドアの締まる音に、我に返った俺は、スマホを持ち君を追いかけた。