「ち、ちょっとたんま!!
ちょっと電話してくるわ」


焦った俺は、部屋に咲を残してスマホを握りしめた。


トゥルトゥル。


彼ならきっと出てくれるだろう。


「"はいはい、何?大方、咲ちゃんとの二人っきりが居られなく電話したんだろう?"」



見られてるのでは、と一応周りを見渡す俺。


千さんってたまに忍者かな、と思うことがある。

「"千さん、俺どうしたらいいですか?"」

遊び人で、有名な千さんなら何かいい案がーー。



「"見つめて押し倒せ!!そうすりゃ、確実……ピッ"」

やっぱり、千さんより冬さんに電話すりゃ、良かった。


けどきっと冬さんの家には、総長がいるだろうから。