「お、遅くなるよな。

千、俺は、先帰るからな」


仲間を信用してないなんて、思われたくなかった。

総長が、仲間を信用してないなんてーーー


「あんまり、遅くなるなよ」

「ありがとうお兄ちゃん‼」



遅くなるなよ、と言った俺に対しキラキラした笑顔の咲に、痛くなる胸。

直ぐ様、爽の側に行く咲に、嫉妬した。


だけどーーー


「行こう咲ちゃん‼」


「うん」


爽は、次期幹部候補として上がるぐらい、強く、そして優しい奴だ。

十分任せられる。

だから、余計に託したくなかった。

側にいたら絶対好きになる。

そんな気がしたから。


俺は、奴等に背を向けて歩き出した。