『はぁはぁはぁ』

逃げなきゃ。

逃げなきゃ。

あの人達から。

どしゃ降りの雨の日。

裸足でノースリーブの白いワンピースを着た女の子が走っていた。

バシャッバシャ

足が冷たい。

石が足に食い込んで痛い。

雨が体にあたって寒い。

でも止まったら捕まる。

捕まりたくない。

誰か!助けて。

「ギュワー」黒い化け物の声。

この世界は、本当に嫌いだ。

黒い化け物を倒せるのはルナ達だけ。

ん?黒い化け物の前にうずくまっている白いのは何?

『ハァー弱い者いじめは反対。』

私は、逃げる事を忘れて、白いのを助けようと思った。

『氷ついて砕けろ。』パリンッ

〔助かった。礼を言う。〕

『いえいえ。貴女は、狐?』

私は、動物の声も聞こえる。

〔あー、俺は九尾だ〕

九尾かー。本で読んだ事があるな

『へー。でも、次会ったとき九尾じゃ呼びにくいから、白良(シララ)ね。じゃあ、私行くところあるから行くね!』

白〔白良か、良い名だな。〕

速く逃げなきゃ。近づいてくる。

『誰だ!』手を振り払ったら氷の壁ができた。

また、強くなっている。

私のルナが……

?「君ルナの持ち主なの?」

『貴女は、誰!それを答えろ!』

?「俺?俺は、枚先木葉(マイサキコノハ)だ。よろしく。」

よろしく?大人だからよろしくはしない。

大人は、怖い。

嫌いだ。

大人の男なんてもっとも嫌いだ。

木「君は?」

私の名前…

『貴女に教える名前なんてない!』

木「じゃあ、どんな質問なら答えてくれる?」

『どんな質問にも答えない。』

木「うーん。困ったな。でも、一つだけ君に教える事がある。」

こいつなんなんだ?
こいつといると調子が狂う。

木「俺は、君の味方だ。だから安心しろ!」

味方?私に、味方なんていない。

ずっと一人ぼっちだから。

あの時から…

木「味方だよ。俺は!君は一人ぼっちじゃない。一人にさせない。」

え!さっき何も喋ってないよね?何で!

木「俺のルナは、心が読めるんだよ。」

じゃあ、前の質問 も心読まれた!

木「いや。それがなぜか君の心あまりにも読みにくいんだよ。」

『枚先には、言える気がするよ。私の秘密。』

白〔我もついていっていいか?〕

白良…

木「じゃあ、お前ら来いよ。俺の家に!」