色んな意味で思考停止した。背中にはダラダラ冷や汗が流れる。


ま、まさかそんな三角関係がこの進学校で繰り広げられていたなんて……。


しかもそんなドロついたこととは縁のなさそうな爽やか系の三人で。


さらにしかも生徒と教師。


ただ蒼ざめる。
 

硬直した俺の目の前の扉が勢いよく開かれた。


「旭葵。中入れ。目立つ」
 

流夜に言われて、俺はロボットみたいな動きで保健室に入った。


「あら。弥栄先生?」


「知ってます。旭葵は。話しましたから」


「ばれたんですね。隙だらけですねー。心配なんで別れませんか?」


「単刀直入過ぎです。別れません」
 

ま、まだ意味深な応酬が続いている……。


「旭葵? どうした。黙りこくって」


「え、いや、その…………」
 

狼狽える俺の、その理由を察してか、流夜は簡単に説明してくれた。