……私のために、無理をさせてしまっているのかもしれない。
「咲桜?」
笑満に下から顔を覗き込まれて、はっと意識を取り戻した。
「どうしたの? 蒼い顔してる……調子悪かったら帰った方がいいんじゃ……」
指摘されて、右手の甲を頬に押し当てた。隠すように。
「あ、ううん。ちょっと考えごとしてただけだから。大丈夫」
「ほんと? ……あ、さっきの着物の人? あたし気が廻らなかったけど、咲桜の知り合い?」
まだ、笑満の両親は来ていないようだ。
フロアには流夜くんと降渡さんと遙音先輩。
吹雪さんは私たちと休憩室の入り口辺りにいて、頼は開いた扉に隠れるようにフロアを窺っている。
笑満と私も声が聞こえるようにとその近くにいる。
椅子に座っているような心の余裕はない。
「あ、えっと……」
司國陽。斎月の恋人。



